中東など産油国でつくる石油輸出国機構(OPEC)は4日、ウィーンで総会を開き、焦点だった原油の減産を見送った。逆にこれまで決めてきた加盟国合計の生産目標を棚上げにし、目標を超えた現在の高水準の生産量を追認するにとどまった。生産調整に向けたOPEC内での意見集約の難しさが浮き彫りになり、原油価格はしばらく低水準にとどまりそうだ。

 OPECはこれまで加盟12カ国(今回の総会で再加盟が承認されたインドネシアを除く)の生産目標を日量3千万バレルとしてきたが、総会後に発表した声明には目標は明記されなかった。バドリ事務局長は総会後の記者会見で「来年6月の総会で改めて市場の状況を見極めることにした」と説明。OPEC加盟国の原油生産量は同3150万バレル前後と目標を上回っているが、この状況がしばらく続くことになりそうだ。

 北海ブレント原油の先物価格は足元で1バレル=40ドル台と、1年前より4割ほど値下がり。財政が悪化するベネズエラなどは減産を提案したが、経済制裁解除後に輸出増を目指すイランなどが慎重な姿勢を示した。非加盟国のロシアなどが生産を落としていないため、OPEC最大の産油国のサウジアラビアも減産に応じなかったとみられる。

 英調査会社エナジー・アスペクツのリドイ・ラシド氏は生産目標の先送りは「加盟国の立場がそれぞれ異なり、足並みをそろえられないことを浮き彫りにした」と指摘。OPEC加盟国以外との減産に向けた調整も難しいとして、半年間は1バレル=40~60ドルの低水準が続くとの見方を示した。(ウィーン=寺西和男)

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