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 鉄道会社なのに「ぬれ煎餅(せんべい)」で有名な銚子電鉄(千葉県銚子市)。そんな鉄道会社が、駅の愛称の「ネーミングライツ(命名権)」を売り出し、12月1日からホームの看板などが変わった。9駅中7駅が売れたが、そのうちの一つが「シュール」「これでフサフサになれる」と話題になっている。その名も「髪毛黒生(かみのけくろはえ)」。なぜ、こんな駅名になったのか? 銚子電鉄にいきさつを聞いた。

■ぬれ煎餅で有名に

 銚子電鉄は2006年、利用客が低迷するなか、当時の社長による横領事件が発覚。年末の車両検査費用のめどがたたず、運行中止の寸前となった。

 そんなとき、社員がホームページに書き込んだ「電車運行維持のためにぬれ煎餅を買ってください」「電車修理代を稼がなくちゃ、いけないんです」といったメッセージが事態を変えることに。

 ネット掲示板やブログなどで話題となって全国から注文が殺到。検査費をまかなうことができ、一躍有名になった経緯がある。今では、鉄道収入より、ぬれ煎餅の方が利益を上げる。

■次なる手が命名権

 そんな銚子電鉄が、運行を維持するためにとった次の手が「ネーミングライツ」の販売だ。

 命名権を購入したのは、銚子市内だけでなく東京都や沖縄県などの企業6社。契約期間は1年で、購入代金は年間80万~200万円。これによって今年度は830万円の増収を見込んでいる。

 今回販売したのは愛称の命名権であるため、正式な駅名はこれまでと変わらない。現在の駅名に加えて、駅舎やホームの看板、時刻表、車内アナウンスなどに愛称が追加されるそうです。

■なぜ髪毛黒生に

 なぜ、「髪毛黒生(かみのけくろはえ)」という愛称になったのか? その理由は、ヘアケア商品の製造・販売を行う株式会社メソケアプラスが契約したことが一番の理由だが、それだけではない。

 もとの駅名は「笠上黒生(かさがみくろはえ)駅」。もともと「くろはえ」という髪の毛をイメージさせる駅名だったことに目をつけて、「髪毛黒生」という愛称をつけたのだ。

 さらに話題づくりとして、本物の昆布を使用した髪毛黒生駅記念入場券を100枚限定で販売した(すでに完売)。

■担当者の思いは

 こうした取り組みについて銚子電鉄の担当者はこう話す。

 「ネーミングライツのパートナー各社さんは、『銚子電鉄の再建の力になりたい』との思いで支援していただいています。旅行会社さんが銚子へのツアーを組んでくださったり、IT企業さんに地元イベントに協賛していただいたり。これほど心強いことはありません。一人でも多くのお客さまに利用していただき、『地域の足』を守っていきたいと思います」(若松真平)