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 地方選挙などをめぐり、企業・団体からの献金が、政党支部を迂回(うかい)する形で候補者や首長側に移される事例が相次いでいることが分かった。候補者の後援会などへの直接の企業・団体献金は、癒着を防ぐために政治資金規正法で禁止されており、専門家は法の「抜け道」となっていると指摘する。

■佐賀県知事選、候補側に200万円

 1月の佐賀県知事選をめぐっては、県議が代表の自民党支部で受けた建設会社2社の寄付が、候補者の後援会に移されていた。

 政治資金収支報告書によると、稲富正敏県議が代表の「自民党佐賀県武雄市第二支部」は2014年12月5日と16日、佐賀市と武雄市の建設会社から各100万円の寄付を受けた。支部は18日、計200万円を立候補した樋渡啓祐・前武雄市長の「ひわたし啓祐後援会」へ寄付した。支部は14年、同後援会など計3団体への寄付以外は、人件費2万円の支出しかなかった。

 稲富氏によると、2社の会長が自身の支援者。「樋渡さんに頑張れと伝えてくれ、という感じで金をもらった。この時期に知事選以外でカンパはくれず、知事選のための迂回寄付。企業献金を後援会に入れられるのはこの方法だけ」と述べた。

 武雄市の会社の会長は「知事選などで忙しいだろうから『稲富さん、頑張って』と出した」。もう1社の社長は「会長が入院中で分からない」と話した。

 武雄市の会社は畜産試験場の牛舎新築など3件の工事を計約2億6千万円で、もう1社は河川の改修工事を約1億円で、寄付時に県と契約していた。県と契約した業者の選挙に関する寄付は公職選挙法で特定寄付として禁止されている。

 政治資金に詳しい浦野広明・立正大学客員教授は「献金時期や県議の証言などから知事選への寄付とみられ、特定寄付の可能性がある」と指摘する。

 稲富氏は「業者は契約について言わなかった」としている。知事選で落選した樋渡氏は「お金の流れや誰からいくらもらったかは把握していない」と話す。(東郷隆、祝迫勝之)