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 インバウンド(訪日外国人旅行)の勢いが止まらない。都市部では日本製品を大量に買う「爆買い」などが目立っているが、地方では、ちょっと意外な観光地がおおいににぎわっている。

 三重県伊賀市の伊賀流忍者博物館。昨年末、大型バス5台が到着し、タイとシンガポールから来た約170人が降り立った。

 お目当ては忍者ショーだ。殺陣(たて)や手裏剣投げが披露され、会場を埋めた外国人客は拍手喝采で喜んだ。最後は全員が手裏剣投げを体験した。

 4泊5日で京都や奈良もめぐっているタイ人のサイピンマリー・ナッタニットさん(25)は「忍者体験を楽しみにしていました」。ちなみに、ショーの会場で日本人観光客はお年寄り夫婦1組だけだった。

 同館の外国人入館者数は2011年までは年に3千~5千人で推移していたが、12年に1万人を突破。昨年は約1万8千人、今年は2万人を超える見込みだ。

 押し上げている要因のひとつが、日本のアニメだという。タイからのツアーのガイド、ユッタナー・ニアムカンターさん(33)によると、東南アジアでは忍者漫画「NARUTO―ナルト―」が人気。とくにタイやインドネシアでは若者の間で忍者ブームとなり、日本観光に拍車をかけているという。

 同館も受け入れ態勢を整えている。3年前から公衆無線LAN「Wi―Fi」を完備し、英語や中国語が堪能なスタッフを雇い、急増する外国人客の対応にあたっている。

 三重県では昨年7月と8月の訪日外国人の延べ宿泊者数がいずれも前年比200%を超え、全国一の伸び率。9月も高知県に次ぎ2位だった。同館を運営する伊賀上野観光協会の安田聡志さん(36)は「予想を超える反響に驚いています。忍者の町をPRする絶好の機会です」という。

 栃木県足利市の「あしかがフラワーパーク」は、もっと急激に外国人観光客が増えた。例年は約1万人だが、昨年は6万人を超えた。