NHK連続テレビ小説「あさが来た」の原案は作家の古川智映子(83)が女性実業家・広岡浅子を題材に30年近く前に書いた「小説 土佐堀川」だ。浅子が創業に関わった大同生命大阪本社(大阪市西区)を訪れ、浅子の特別展示を見学した古川は「まさか朝ドラになるなんて。びっくりぽんでした」と語る。

 執筆のきっかけは、女性人名辞典で浅子の名前を見つけたことだった。「たった14行の記述でしたが、引きつけられました」。ピストルを懐に炭鉱経営をするなど、当時の女性では考えられない生き方に興味を持ち、資料を探し始めた。

 嫁ぎ先の倒産危機や自身の肺病、恐慌……。苦難続きだった浅子の座右の銘は「九転び十起き」だ。負けん気を発揮して何度も立ち上がった。自身も当時は離婚してどん底の時期だったが、浅子の生き方を知り、気持ちを立て直すことができたという。

 「浅子の精神に私も励まされた。強運の浅子を追いかけるうちに、私も運が強くなった気がする」と振り返る。「売れなくても好きでコツコツ書いてきましたけど、努力って実るんですね」(松本紗知)