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 「安倍一強政治」の流れを変えようと、野党が共闘に動き始めた。23日には安全保障関連法廃止を訴える市民団体が来夏の参院選に向け、熊本と石川で野党統一候補の擁立を発表。台風の目は共産党だ。自前候補の取り下げも辞さない「現実路線」に踏み出し、野党連携の歯車が回り出した。

 転機は3カ月前。安保法が成立した9月19日の午後、東京・千駄ケ谷の共産党本部。党幹部を集めた中央委員会総会で委員長の志位和夫は宣言した。「国民の声に応えるため、共産党も変わらなければならない。我々は新たな戦いに入る」

 その前夜、志位は国会前に詰めかけた学生らに演説。共産や民主など5党が安保法反対で結束したことを受け、「野党共闘をどんなことがあろうと発展させていく」と強調した。学生たちから「次の選挙は期待していいんですね」と声をかけられていた。

 志位は中央委総会で、演説での「約束」を具体化した構想を示す。安保法の廃止を実現させるため他の野党と連立を組む「国民連合政府」だ。共闘を実現させるため、日米安保の破棄や将来的な天皇制の廃止といった他党が受け入れられない政策を棚上げした。

 天皇陛下が臨席するため、従来は「戦前の議会の儀式を引き継ぐもので憲法から逸脱する」との理由で欠席していた国会開会式に来年は出席することも24日に発表する。志位は言う。

 「我々はウルトラリアリストになった」

 「リアル」な政治に踏み出した志位が水面下で会談を重ねていた人物がいる。小沢一郎だ。率いる生活の党と山本太郎となかまたちは衆参計5議席にすぎないが、巨大与党に対抗する策を練っていた。

 新進党、自由党、民主党……。自民党の対抗軸を模索し続けてきた小沢一郎。2大政党の「外側」から自民打倒をうかがう志位和夫。対照的な2人は、ある選挙を契機に急接近する。

 「仮に戦争法(安保法制)が成立した場合、その後の戦いが重要ですね」

 8月19日、盛岡から東京に戻る東北新幹線の車中。乗り合わせた共産党委員長の志位が語りかけると、生活の党と山本太郎となかまたち代表の小沢はこう応じた。「野党がバラバラではいつまでたっても自民党に勝てない」

 この日、2人を含む野党5党首は小沢の地元・岩手で共同会見し、翌20日告示の県知事選での「共闘」を宣言。自民は独自候補の擁立を断念し、小沢側近で現職の達増拓也が無投票で3選を決めた。

 自民を不戦敗に追い込むカギになったのが、これまで原則すべての選挙で独自候補を立ててきた共産も民主などと足並みをそろえ、支援に回ったことだ。小沢は「共産が自民を利してきた」と説き、協力を取り付けた。岩手での連携を機に、参院選での野党共闘を模索する志位は、小沢と度々意見を交わすようになる。

 安保法をめぐる与野党攻防が最…

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