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 関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町、定期検査中)の再稼働をめぐり、福井地裁の林潤裁判長は24日、「安全性に欠けるとはいえない」と判断し、再稼働を即時差し止めた4月の仮処分決定を取り消した。差し止めを求めた住民側は名古屋高裁金沢支部に抗告する方針だが、関電の異議が認められ、差し止めの効力が失われたことで再稼働は現実的になった。

 高浜3、4号機は2月に原子力規制委員会から新規制基準を満たすと認められ、福井県の西川一誠知事も今月22日に再稼働への同意を表明。今後の抗告審は長引くとみられ、関電は3号機を来年1月下旬、4号機は2月下旬にそれぞれ再稼働させる見通しだ。

 林裁判長はまず、4月の差し止め決定で樋口英明裁判長(当時)が「緩やかすぎる」と指摘し、安全性が確保されないとした新規制基準の妥当性を検討。最新の科学・技術的知識に基づく地震対策を定め、安全上重要な施設には特に高度な耐震性の確保も求めた内容には合理性があるとした。

 さらに、電力各社が耐震設計で想定する最大の揺れ(基準地震動)についても、関電の示した数値は詳細な地盤調査などを経て算出され、施設の耐震性にも「相応の余裕」がもたせてあると評価。高浜原発から約100キロ圏内に住む人たち9人が、2005年以降だけで福島第一など全国4原発が基準地震動を超す地震に襲われていると危険性を訴えた主張を退けた。

 ただ、新規制基準の運用に際しては「安全神話に陥らず、常に高いレベルの安全性を目指す努力が求められる」と注文をつけた。

 また林裁判長は、関電大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働差し止めを求めた住民らの仮処分申請も却下。大飯は規制委が審査中で、再稼働が差し迫った状況にはないと判断した。大飯は昨年5月、樋口裁判長が運転差し止めの判決を出したが関電側が控訴して確定せず、再稼働を進められる状態にある。

 関電は、まず高浜3号機の原子炉に25~29日、核燃料を入れる予定だ。規制委の検査を通れば来年1月下旬に稼働させ、2月下旬に営業運転を始める。火力発電の燃料費が抑えられるとして、来春以降の電気料金の値下げを検討する。

 福島原発事故後にできた新規制基準で再稼働するのは、九州電力の川内原発1、2号機に続き3例目になりそうだ。核燃料はプルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)で、事故後初のプルサーマル発電となる。関電は「安全性が確認された原発の一日も早い再稼働をめざす」という。(小川詩織、太田航)