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 今年の干支(えと)は申(さる)。サルは「富士山の神様の使い」ともされている。だが、何度も富士山を訪れたことがあるが、その姿を見たことがない。地元の人から「富士山にサルはいない」とも聞く。なぜ富士山にサルはいないの?

 御坂山系や足和田山周辺など、富士山を取り巻く山には多くのニホンザルが住んでいる。山梨県富士吉田市新倉や鳴沢村の国道139号沿いにある畑では、野菜の被害も出ている。

 だが、富士山5合目で冬季も宿泊者があれば営業する山小屋「佐藤小屋」の4代目、佐藤保さん(57)は「シカやカモシカ、イノシシは頻繁に小屋の近くに出てくるけれど、サルは1回も見たことがない」と話す。

 山中湖村職員で、狩猟や有害獣駆除で年間50日以上富士山を駆け回っている羽田健志さん(43)も「山中湖周辺では、桂川より西のエリアでサルはいないとされている。実際、見たことがない」と話す。

 特定非営利活動法人「富士山自然保護センター」理事で、「富士山の自然」などの著書がある渡辺通人さん(62)は5年前、東京農工大や現在の県富士山科学研究所と協力し、御坂山系に住むサルの分布調査を始めた。数頭のサルに電波発信機を着け、3年間にわたって行動範囲を調べた。

 その結果、御坂峠から富士吉田市新倉あたりまで、周回移動する約90頭の群れがいることが分かった。だが、富士山麓(さんろく)には行かなかったという。渡辺さんによると、群れと別行動する「離れザル」がおり、アケビや山グリなどの好物にひかれて富士河口湖町船津の河口湖フィールドセンターあたりに現れることもあるが、長くとどまることはないそうだ。

 調査で、サルの行動範囲には沢…

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