無国籍状態の赤ちゃんが養子縁組で日本の国籍をとれることが分かり、弁護士らの間で制度を学ぼうという動きも出始めた。縁組は昨年1件成立し、2件目の審判も裁判所で進行中だ。日本に住む外国人が増え、保護を必要とする子どもの国籍が「無国籍」も含めて多様化するなか、今後事例が増える可能性がある。

 「名実ともに親子になってホッとしました」。神奈川県横須賀市に住む40代の主婦はそう言って、8カ月になるメイちゃんを抱き上げた。昨年11月末に裁判で特別養子縁組が成立し、メイちゃんは女性と米国人男性夫婦の長女となった。

 メイちゃんは昨年春、日本語学校に通うミャンマー人の母親のもとに生まれた。父親のミャンマー人は行方がわからず、母親は自分で育てるのは無理だと考え、民間の養子縁組機関「アクロスジャパン」に相談した。

 メイちゃんは無国籍の状態だった。ミャンマーの場合、両親ともミャンマー人で法的な夫婦の子どもにしか国籍が与えられない。日本国籍は、両親とも外国人のため原則として得られない。

 「途方にくれたが、これほど家庭を必要とする子もいないと思った」とアクロスの小川多鶴代表は言う。メイちゃんはこのままだと強制退去処分になる可能性が高いが、国籍がないため帰る「国」はない――。

 顧問の小野寺朝可弁護士が法律…

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