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 水道管の水漏れなどで水道水がむだになる割合(無効率)が20%超と極めて高い水道事業体(自治体や企業など)が、全事業体の16%にあたる236に上り、老朽化した水道管の更新が追いついていないことがわかった。地方を中心に人口減によって料金収入が減り、予算不足で更新費用を捻出できずにいる背景がある。専門家は「20%超は、老朽化した水道管が限界を迎えていることを示している。このままでは10年後には各地で噴水状態になりかねず、手遅れになる」と警鐘を鳴らす。

 公益社団法人日本水道協会が発行する水道統計(全国1496事業体を対象、2015年公表の13年度データ)をもとに割り出し、無効率が高い水道事業体に朝日新聞が背景などを取材した。協会によると、13年度の無効率の全国平均は7・1%。政府は、13年に打ち出した「新水道ビジョン」で無効率の目標を盛り込まなかったが、それまでは「5%未満」だった。

 20%を超す事業体が多いのは北海道(28事業体)、長野(23)、岐阜(15)、栃木(13)、福島(11)など。一方、県庁所在地や政令指定都市では、一部を除いて大半が1ケタだった。

 無効率が13年度に20%を超し、かつ10年前より悪化しているのは182事業体。無効率が30%超の事業体は56あり、背景を取材すると、43事業体が人口減の影響に言及した。直接的な理由を①予算不足②人手不足③その他、の3択で聞くと、33事業体が「予算不足」を一番に挙げた。

 一般的に水道管の耐用年数は約40年とされ、70年代に造られたものが一斉に更新時期を迎えている。これらの水道管の更新が停滞することなどで、管の破損事故が頻発している。水道統計によると、13年度には182事業体のうち133の事業体で計1万1097件が発生。10年前より2千件以上増え、断水時間は5千時間以上延びた。

 無効率が44%だった三重県紀北町では、約40年前に敷設した水道管が一斉に更新の時期を迎えているが、担当者は「すべての更新に50年かかる」。更新の頻度を上げるには資金が必要で、将来的な水道料金の値上げも視野に入れている。自治体側には、水道料金の値上げをしたくても高齢世帯などでは負担増への反発が強く、なかなか踏み切れない事情がある。

 32%の兵庫県新温泉町では、1万数千人の人口が年間に約300人ずつ減っており、担当者は「歳入も減って予算不足で更新が進まない」。無効率が40%近かった群馬県下仁田町の担当者は「予算の制約から水道管の更新を民間企業に委託できず、職員でやっている。まったく追いつかない」と取材に話した。

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