【動画】サッカーの伝統をつなぐ歌「バブルズ」=河野正樹撮影
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 試合のたびに、スタンドがシャボン玉に包まれるサッカーのクラブがある。

 1895年創設のイングランド1部ウェストハム。本拠地ブーリングラウンドがあるロンドン東部は下町だ。船大工たちが始めたクラブで、エンブレムにも船大工のハンマーが描かれる。愛称はハンマーズ。

 最寄り駅アップトンパーク周辺には、かつて労働者が多く住んだ。今は安い家賃を求めて中近東、アフリカからの移民が集まる。

 試合の日にはボリューム満点の庶民的なハンバーガー屋が並び、フライドポテトにかけるモルトビネガーの酸っぱいにおいが漂う。

 シャボン玉の理由は「クラブのうた」にある。

 ドリス・デイも歌った米国生まれの曲「夢のシャボン玉」。1920年代から歌われるようになった。ファンは「バブルズ」と呼ぶ。家族4代にわたってウェストハム一筋のショーン・ウェットストーンさん(47)は「ファンが自然と歌い続けてきた。クラブのアイデンティティーの一つ」と誇る。

 私はいつもシャボン玉を吹いている/高く舞い 空まで届きそうになって/私の夢みたいに消えて隠れてしまう

 歌のせいではないだろうが、ファンの夢は毎年、シャボン玉のようにはかなく消えてきた。一度もリーグ優勝はなく、85~86年の3位が最高成績だ。

 それでも、多くのファンがクラブを愛する。

 スタジアムのすぐそばで4代に…

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