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 福岡県は新年度、県産の高級イチゴ「あまおう」の米国への輸出に向けた環境づくりに乗り出す。環太平洋経済連携協定(TPP)の締結による関税撤廃を見越して市場調査を実施し、生産者に働きかける。あまおうは香港やシンガポールなどアジア向けの輸出が伸びているが、世界の食が集まる激戦のニューヨークに乗り込んで、さらなるブランド確立をめざす。

 新年度予算案に関連費用を計上する方針で、県は、流通にかかる詳細なコストを計算し、ニューヨークなど米国の大都市に住む消費者の好みも調べる。その上で県内の生産者に対し、調査結果を踏まえた形での輸出を促していく。

 TPP合意を受け、海外産の農作物がこれまで以上に国内に流入することが予想され、対抗して県内の農業の競争力を高めるねらいがある。小川洋知事は「今後は攻めの農業が必要」と話し、あまおうにその牽引(けんいん)役を期待する。

 あまおうは、大ぶりな粒と糖度の高さが特徴。国内のイチゴで販売単価のトップを走り続けてきた。アジア市場でも高級イチゴと認知され、贈答品などとして国内の2~3倍の価格で取引されている。2014年度には香港やシンガポール、台湾、タイなど主にアジア向けに85トンが輸出された。日本から輸出されるイチゴの半分近くを占めているが、米国にはほとんど出回っていないという。(土屋亮)