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 肺がん細胞が治療薬に耐性を持つ仕組みの一部を、名古屋大大学院医学系研究科の高橋隆教授(分子腫瘍〈しゅよう〉学)の研究グループが解明した。新たな治療薬の開発につながる可能性があるという。4日付の英科学誌ネイチャーコミュニケーションズ電子版に発表した。

 がん細胞を狙って特定の酵素や遺伝子の働きを阻む「分子標的薬」として、肺がん治療薬では「イレッサ」などがあるが、使ううちに効き目が弱くなる。耐性と呼ばれるこの現象が起きると病状は再び進む。

 がん細胞は酵素で核に信号を送ることで増殖する。耐性が起こるのは、ある酵素の働きを分子標的薬で止めても、しばらくすると他の酵素で増殖の信号を送る仕組みを確立してしまうためだ。耐性の仕組みには、数種類の酵素が関わる複数のルートがあるとされる。

 高橋教授らは、がん細胞の増殖を助ける遺伝子ROR1に着目。ROR1が細胞膜に作ったくぼみに耐性に関わる酵素が複数集まり、がん細胞の増殖を支えていることを発見した。肺腺がん患者の細胞を使った実験により、ROR1の活動を抑えるとくぼみができず、耐性が起こった細胞でもROR1の活動を抑えるとその後の増殖が約8割抑えられることも確認した。

 高橋教授は「ROR1をターゲットにした分子標的薬ができれば、耐性が起こっても一網打尽にできる可能性がある」と話す。(月舘彩子)

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