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 植物を解剖せずに、丸ごと透明化して観察できる試薬を、名古屋大学の研究チームが開発した。同大の栗原大輔特任助教は「ありのままの植物を細胞レベルで観察でき、器官の解明が進む」と話す。

 内部の観察の際には蛍光色素で染めた後、特殊な顕微鏡で見る。ただ、植物の場合、葉緑体の色素クロロフィルが邪魔をして、葉の表面しか見えなかった。

 開発した試薬は「ClearSee(クリアシー)」。マウスの脳細胞の脂質を除去する技術を応用し、アルコールや界面活性剤など24種類の化合物を組み合わせた。植物をホルマリン固定した後、この試薬に4日間浸すと、クロロフィルを除去できる。

 透明化によって、葉の表から裏まで、細胞の様子を観察することに成功した。植物を薄く切る必要がなく、これまで見られなかっためしべの中を花粉管が伸びる様子なども確認できた。(月舘彩子)