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 兵庫県篠山市は31日、福井県にある原発で事故が起きた時に備えて、甲状腺被曝(ひばく)を防ぐために服用する安定ヨウ素剤の市民への配布を始めた。同市は、29日に再稼働した関西電力高浜原発から約45キロ。国は自治体に、5キロ圏内では住民への事前配布を、30キロ圏内では備蓄を求めているが、内閣府は「30キロ圏外での事前配布は聞いたことがない」としている。

 兵庫県は2014年4月、福井県の原発事故で放出される放射性物質の拡散シミュレーションを公表。篠山市では甲状腺等価線量が100・1ミリシーベルトと予測され、国際原子力機関(IAEA)が定める安定ヨウ素剤の服用基準(50ミリシーベルト)を上回った。

 そのため市は、約600万円の予算を計上。3月下旬までに市内各地の公民館などで、対象となる3歳以上の市民の希望者に配る。

 市東部の配布会場ではこの日、市民らが医師から服用の際の注意を受け、薬剤師の問診を受けて同剤を受け取った。家族5人分を受け取った女性(44)は「福島の原発事故があったので不安はある。自治体が手を打ってくれてありがたい」と話した。(鵜飼真)