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 日米欧が共同運用する南米チリのアルマ望遠鏡など世界各地の電波望遠鏡が協力して、ブラックホールの姿を世界で初めてとらえようという計画が進んでいる。同じ天体を各地の電波望遠鏡で同時に観測することで、地球の直径に迫る口径9千キロの仮想の電波望遠鏡なみの解像度を目指す。

 国立天文台によると、複数の電波望遠鏡が同時に一つの天体を観測することで解像度を高める「超長基線電波干渉計(VLBI)」という技術を使う。ブラックホールは従来の望遠鏡でとらえるのが難しいため、アルマ望遠鏡と、米国、メキシコ、スペイン、南極にある電波望遠鏡がネットワークを組んで同時に観測する計画だ。解像度はハワイ島にある国立天文台すばる望遠鏡(口径8・2メートル)の3千倍という。

 狙うのは、天の川銀河の中心部にあり、地球から最も近いとみられるブラックホール。約2万5千光年の距離にある。ブラックホールは重力が巨大で光を外に出さないため、直接は見えない。だが、ブラックホールに落ちていくガスが強い光を放つため、光の中の「黒い影」として見えると期待されている。

 日本や台湾、米国、カナダ、メキシコ、欧州のグループが、「事象の地平線望遠鏡(EHT)」というプロジェクトを進めている。アルマ望遠鏡は昨年3月にスペイン、同8月に米国の望遠鏡と接続して試験観測を行い、成功した。今年は各地の連携に向けた準備を進め、2017年春に撮影に挑戦する予定だ。

 国際的な計画に参加している国立天文台水沢VLBI観測所の本間希樹(まれき)教授(電波天文学)は「ブラックホールの存在を疑う研究者はいないが、だれも見たことがない。撮影できれば意義は大きい。予測通りに見えなければ理論がおかしいことになり、それも大発見だ」と期待する。(福島慎吾)