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 米ニューヨークの中心部マンハッタンで、有名店の閉店が目立っている。昨年末には米おもちゃ大手「トイザラス」が閉店し、ほかの老舗などの店じまいも続いた。最大の理由は「家賃の高騰」。米景気が回復するにつれ、不動産市況回復も進んで、人気店が姿を消している。

 12月30日に閉店したトイザラスは、ニューヨークの繁華街タイムズスクエアのど真ん中にある旗艦店だった。店内の高さ18メートルほどの観覧車が名物で、世界から観光客を集めた。閉店の理由について同社は「賃料の節約のため」としている。賃貸契約は今年1月までだったが、更新しないことを決めたという。1月上旬、米東部メリーランド州から訪れた女性は「有名な店なのに閉店するなんて」と残念がった。

 昨夏には、目抜き通りの五番街の高級玩具「FAOシュワルツ」も閉店した。前身の店の歴史も含めると約150年続いた老舗で、俳優トム・ハンクスさんが主演した映画「ビッグ」などのロケ地としても有名。ニューヨーク市民にとって「玩具店といえばFAO」という存在だった。同店の閉店理由も「賃料節約」。市中心部ではほかにも台所用品の人気店などが昨年店をたたんだ。

 ニューヨーク市中心部の賃料は、1平方フィート(0・09平方メートル)で年間1500ドル(約17万8千円)を超えるとみられ、5年前の約2倍になった。アマゾンに代表されるネット通販拡大も脅威だ。昨年の年末商戦もネットで買い物を済ませた消費者は一段と増加した。店舗が主力の小売業者にとっては厳しい時期が続きそうだ。(ニューヨーク=畑中徹)