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 JR大阪環状線の10駅を舞台にしたドラマ「大阪環状線 ひと駅ごとの愛物語」(関西テレビ)が12日深夜から放送される。各駅ごと全10話のオムニバスで、物語のひとつひとつに駅や街の個性がにじむ。

 企画した木村弥寿彦プロデューサー(43)は「大阪で、大阪を舞台にしたドラマを作りたかった」と語る。民放各局のドラマ制作の中心は東京で、関西テレビが制作する全国放送のドラマも東京で撮影している。「若手を育てるためにも地元でドラマを作り続けなければ」。大阪市内を囲むように走る環状線は格好の舞台になると考えた。

 低予算のため主な出演者は2人、撮影は2日間で、駅周辺のオールロケを基本に据えた。各話は30分。複数の脚本家から駅にちなんだあらすじを募り、面白いものを選んだ。

 第1話「偽装カップル(天王寺駅)」では、浮気調査をする男女(駿河太郎、谷村美月)が恋人同士を装って天王寺動物園を歩く。第2話「私のカレは幸村様(玉造駅)」は恋人(尾上松也)に真田幸村の魂が乗り移るなど、その駅ならではの物語が並ぶ。

 第9話「最後のデート(野田駅)」を担当した松川さやかディレクター(36)はドラマ初監督。海外留学に旅立つ青年が、思い出の場所を巡る物語を撮った。「街の雰囲気をきちんとすくい取ったドラマにしたかった」

 この仕事で初めて野田駅を訪れた松川ディレクターは、地元の人に案内してもらいながら街を歩いて撮影場所を決めていった。そのなかで、七つのお地蔵さんにお参りすると願いがかなうという地元の伝承「ななとこまいり」を聞き、物語に採り入れた。街の写真館の男性には、実際に出演してもらった。

 今回の企画には4人の新人監督が起用された。自身も監督を務めた木村プロデューサーは「それぞれが『楽しんでやってるな』と感じた。この経験を生かして、自分たちでもどんどん企画を立てていってほしい」と期待を込める。

 駅をテーマにしたこのドラマを、JR西日本も応援する。大阪環状線改造プロジェクトの錦織健担当課長(45)は「環状線に親しみを持ってもらういい機会。たくさんの人に見てもらいたい」。ドラマのポスターを環状線の全駅に張り出し、関西テレビの試みを後押しする。

 放送は毎週火曜深夜で、第1話は12日深夜1時55分から。(松本紗知)