【動画】「CRIC★講演の歌。」作詞:福井健策 作曲:orpheus 歌唱:初音ミク 協力:クリプトン・フューチャー・メディア
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 エンブレム問題は法的な側面からどう見えるのか。著作権に詳しい福井健策弁護士に聞いた。話は、著作権と人工知能の関係にも及んだ。

――エンブレム問題を経て、多くの人がオリジナルと模倣について考えたと思うが、日本社会でオリジナリティーは新たな受け止められ方をされるようになったのでしょうか?

 旧五輪エンブレムは、多くの国の基準からすると恐らく著作権侵害ではなかっただろう。知財法制は世界的に共通の役割を持っている。そこでは創作・イノベーションを最大化しつつ、人びとの自由なアクセスをいかに守るかというバランスが大切になってくる。文化に模倣は付き物なので、既存の作品の権利を強くしすぎると、新しい創作が萎縮して出来なくなる。ただ、その逆となると「パクリ天国」。一生懸命コンテンツを作っても報われず、作品が作られなくなる懸念がでてくる。

 バランスが知財法制の生命線で、役割はこれに尽きる。どんな情報でもただ知的財産権で独占させればいい、とは考えない。単純なマークのように組み合わせがある程度有限なデザインに、著作権という極めて強い権利を無条件に与えてしまうと、人びとの行動が制約される側面が大きくなってしまう。だから単純なマークはあまり権利性が認められない。仮に著作物だと認めるとしても、それとイメージが似ているという程度の図形まで侵害だと認定しては、これまた人びとの行動が規制されすぎる。そういう場合には、ギリギリで著作物性を認める代わりに、権利の幅は狭くするという考え方をとる。これをよく「薄い著作権の理論」という。単純なマークの場合、酷似したと言えるような図形、これだけが著作権侵害だというのが一般的な考え方だ。今回のエンブレム問題は、だから(侵害と言うための)ハードルが上がる。

 旧エンブレム自体についていえ…

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