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■18歳をあるく

 今年18歳になる都立高2年の女子は1年前の秋、初めて異性と付き合った。違うクラスの男子。LINE(ライン)でやりとりが始まった1カ月後だった。学校帰りに「付き合って」と言われ、「よろしくお願いします」と答えた。断る理由がなかった。

 ところが、5カ月で破局。原因は「私のサバサバした性格」と振り返る。プリントシール機で一緒に撮らず、雑誌にあった「彼氏のラインには5分以内で返信!」も守れず、同級生にも疎遠を気づかれたころに「距離を置きたい」と切り出された。「じゃ、おわびにおごって」と返し、缶ジュースで別れに応じた。

 「手をつないだだけだった。今は『友だち枠』に戻りました。もうすぐ受験生なので恋人はいらない。結婚したくないわけじゃないけど、30歳ごろでいい」

 昨今、若者たちの恋愛に対する消極性を示すデータが発表されている。

 結婚情報サービス楽天オーネットの新成人を対象にした今年の意識調査結果によると、「交際相手がほしい」は男性63・8%、女性64・2%。2000年の9割から減少傾向をたどる。交際相手がいるのは1996年に男女とも半数を占めたが、2011年以降は4人に1人程度に激減した。

 内閣府が15年に公表した調査も「恋人が欲しくない」という20代未婚者は男女とも4割程度だった。

 高校生も同じ傾向だ。日本性教育協会の調査によると「デート」「キス」「性交」それぞれの経験率は、05年をピークに下降した。

 なぜなのか。

 「尾木ママ」こと教育評論家の尾木直樹さん(69)が指摘するのは「性的自立の遅れ」だ。それを示す根拠の一つとして、日本性教育協会のデータで「初めて射精した年齢」が「中学生」と答えた男子が11年は36・2%にとどまり、99年の52・9%から大幅ダウンしたことをあげる。

 尾木さんがとくに問題視するのは、中高生になっても親と風呂に入り続けることだ。大学の授業やテレビ出演の現場で抱いた危機感をきっかけに、昨年出版の「親子共依存」(ポプラ新書)で初めて触れた。

 「番組の収録で、一緒に風呂に入るという中学生の息子さんとその母親に話を伺う機会があったんです。それを論じるスタジオで人気の女性タレントたちが『今もパパと一緒!』とコメントしても、僕以外の出演者は驚かず、そのまま放映されてしまった。これはどうしたものかと……」

 母と息子、父と娘。親子入浴に、抵抗感を持たない若者は確かにいる。

 横浜市の私立高3年の女子(1…

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