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 北朝鮮が水爆実験に成功したと発表したことに対して、中国が北朝鮮を強く批判、米国も国連制裁の強化を模索するなど、国際社会が一斉に反発した。しかし、北朝鮮の核開発を阻止する道筋は見えてこない。

 北朝鮮との関係改善に向けて対北外交を進めていた中国の習近平(シーチンピン)指導部は強い衝撃を受けており、経済制裁を含め、より厳しい対応をとる可能性がある。

 中国外務省が6日に発表した声明では「非核化の約束を忠実に守り、情勢を悪化させるいかなる行為も停止するよう極めて強く促す」と北朝鮮側を牽制(けんせい)。過去の声明に明記した「関係方面に冷静な対応を呼びかける」の一文もなかった。

 中国は長年、北朝鮮にとって最大の支援国・貿易相手国として深い協力関係を築き、「最大の後ろ盾」とされてきた。だが、北朝鮮の度重なる核実験で関係が悪化。2013年2月に3度目の核実験を強行した際も、中国外務省が「強烈な不満と断固たる反対」を表明した。当時は北朝鮮側から事前通報があっただけに、今回の突然の核実験で北朝鮮の対中不信感が浮き彫りになった。中韓関係筋は「北朝鮮の今回のやり方に中国指導部は憤っている」と指摘する。

 中国側も習国家主席が14年7月、最高指導者として1992年の中韓国交正常化以来初めて北朝鮮より先に韓国を訪れるなど、北朝鮮と距離を置く姿勢を鮮明にしてきた。外交筋によると、昨秋の北京での「抗日戦争勝利記念式典」の軍事パレードに北朝鮮が崔竜海(チェリョンヘ)・朝鮮労働党書記(当時)を派遣した際も、習氏ら最高指導部メンバーは崔氏らと個別に会わなかった。

 そんな中朝が関係修復の動きを見せたのが、昨年10月の朝鮮労働党創建70周年の記念式典だ。中国共産党序列5位の劉雲山(リウユンシャン)・党政治局常務委員が訪朝し、金正恩(キムジョンウン)第1書記と会談した。

 訪朝直後に劉氏と会談した外国要人によると、劉氏は「朝鮮半島の非核化の堅持など中国の原則を正恩氏に促した」と述べ、「正恩氏は人民の生活改善や経済発展を実現するために良好な国際関係の構築を望んでいると感じた」と成果を強調。さらに劉氏は「正恩氏は、外交関係で中国を重要な位置に置くことも強調していた」と話していた。

 そのわずか3カ月後の核実験に、中国では「メンツをつぶされ、より強硬な態度に出ざるを得なくなった」(中国政府系研究者)との見方が強まっている。

 先月、正恩氏肝いりの「モランボン楽団」が北京公演のため中国入りした際も、弾道ミサイル発射の映像などに中国側が難色を示したことから直前で公演が中止になり、中朝のギクシャクぶりが際立っていた。

 中国は、北朝鮮の核問題でも国際社会で存在感を示すために各国と連携して厳しい措置をとるとみられる。一方で、中国が経済支援の打ち切りなど対北制裁を徹底すれば、北朝鮮を追い込んで地域の不安定化を招きかねず、中国は難しい対応を迫られている。(北京=倉重奈苗)

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