桂米朝さんが54年前の高座で披露した「地獄八景亡者戯」の音声の一部
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 昨年3月に89歳で亡くなった人間国宝の落語家桂米朝さんの代名詞「地獄八景亡者戯(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)」の全編を初めて放送で披露した54年前の高座音源が見つかった。ラジオ放送した朝日放送(大阪市)にも保存されていない貴重な録音。今も多くの落語家が手がける人気演目の「原点」と言える音源だ。

 1962(昭和37)年2月23日に大阪で開かれた「第21回上方落語をきく会」で、当時36歳だった米朝さんの高座を公開収録。3月1日と10月7日に朝日放送ラジオで放送された。関西在住のクラシック音楽愛好家(故人)が10月の放送分をオープンリールで録音。そのCD版を、兵庫県姫路市の落語研究家小澤紘司さん(70)が知人を介して入手した。

 地獄八景は多彩な人物が冥土を旅し、閻魔(えんま)大王の前で一芸大会が繰り広げられる約1時間の爆笑ネタ。古くからある落語だが、通して口演されることがなくなりかけていた昭和30年代に米朝さんが再構成し、独自の工夫を加えてよみがえらせた。

 音源は一部が欠けているものの、約50分に及ぶ。後年のような生々しいニュースネタはないが、その分古びず、全体を必要十分に整理した基本形といえる構成だ。冥土の寄席で桂米朝の名を見つける有名な「近日来演」のギャグはすでにあり、ひときわの爆笑を呼んでいた。

 米朝さんはこの5年後、初の東…

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