世界銀行は6日、2016年の世界全体の経済成長率見通しを2・9%と発表した。昨年6月の前回の予想の3・3%から、下方修正した。中国経済の減速や原油などの資源安の影響で、新興国の経済が想定以上に伸び悩むとしている。

 成長率は15年の2・4%より高いが、リスク要因として米国の政策金利の引き上げや新興国のさらなる減速にも触れ、「相当な下ぶれリスクにさらされている」と警告した。日本の16年の成長率も、前回予想の1・7%から1・3%に引き下げた。個人消費など国内の需要や輸出が想定より弱くなるとして、「回復はもろく、下ぶれリスクにさらされたままだ」と指摘している。

 新興国全体の見通しは4・8%。前回予想は5・4%だった。中国も6・7%に引き下げ、15年の6・9%より減速するとみる。ブラジルはマイナス2・5%と、2年連続のマイナス成長を見込む。世銀は、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの「BRICS」5カ国の成長率が1%幅下がると、「2年間で世界の成長を0・4%幅押し下げる」と分析する。

 また、今回は環太平洋経済連携協定(TPP)の経済的影響の試算もまとめた。発効すれば、参加12カ国の国内総生産(GDP)を、2030年までに平均で1・1%引き上げると予想。米国の成長の押し上げ効果は0・4%にとどまるが、日本は2・7%、ベトナムは10%、マレーシアは8%増えるという。

 世銀は年2回、世界経済の見通しを公表している。(ワシントン=五十嵐大介

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