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 世界的な和食ブームに後押しされて年々、輸出量が増えている日本酒。国内より、海外に力を入れる中小の酒蔵は珍しくない中で、愛知県津島市にある鶴見酒造がこんな酒を造った。「SUSHISAKE 神鶴(かみつる)」。和食ブームを引っ張るすしに合った味で、ラベルも海外を意識した表記。狙うは欧米市場だ。

■日系企業、進出相次ぐ

 鶴見酒造は、1873(明治6)年創業で、生産量は3千石(一升瓶30万本相当)と、愛知県内では中堅の造り酒屋だ。

 中国への輸出を始めたのが10年ほど前。「日系企業がどんどん進出し、ニーズがあると思った」と6代目社長の鶴見昌士(まさひと)さん(49)。当初は生産量の1、2%に過ぎなかったが、2011年ごろから伸びて、現在、1割弱を中国と韓国に輸出している。

 昨年11月、新市場として欧米を意識して作ったのが「SUSHISAKE 神鶴」だ。「漢字は理解されにくい」と考え、ラベルも富士山のイラストの上に、ローマ字の表記を目立たせるようにした。

 味はもともと扱っていた銘柄「神鶴」を改良した。すしのネタを引き立たせるため、よりすっきりとした後味にするとともに、ワイングラスで飲むことを想定してフルーティーな香りに仕立てた。昨年12月、イタリアで試飲会を開いたところ、好評だったという。

 早ければ2月にもイタリア向けの輸出を始める予定。イギリスやオーストラリアのバイヤーからも問い合わせがあるという。

 5種類を用意し、うち高級酒として売り出す「SUSHISAKE 神鶴 純米大吟醸」は1・8リットル入りで1万2千円(税別)と強気の価格設定にしている。鶴見さんは「将来は生産量の半分程度までを輸出向けに充てたい。飽きられないように味も柔軟に変えていく」と話す。