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 岐阜県職員の30代の男性が自殺したのは、上司のパワーハラスメントや過重な勤務が原因だとして、遺族が県に約1億650万円の損害賠償を求めた訴訟が8日、県が9600万円を支払うことで岐阜地裁で和解した。

 訴状によると、男性は2012年4月から県施設の建て替えに関する業務などを担当。体調不良を訴え、13年1月に自宅で自殺した。原告側は上司から「仕事ができない」などと日常的に怒られ、月100時間以上の残業をしていたと主張した。一方、地方公務員災害補償基金岐阜県支部は14年9月に、長時間残業と上司の不適切な指導で精神疾患が生じたと判断し、公務災害を認定。これを受け、和解に向けた協議が進められた。

 和解には謝罪は含まれておらず、パワハラは認めていないが、県人事課は長時間勤務と不適切な指導には一定の責任があるとしている。原告側弁護団によると、地方自治体が過労死の損害賠償請求の和解に応じた例は少ないという。

 弁護団の岩井羊一弁護士は県庁で会見し、「全面的に県の責任が認められた」と話した。また、男性の妻は「夫を失った悲しみは一生消えない。世の中から過労死が無くなることを祈っている」と述べた。

 一方、古田肇知事は「再発防止策を含め、これまで以上に労務管理に取り組みます」とコメントした。