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 安倍晋三首相は10日のNHKの報道番組で、夏の参院選について「自公だけではなく、改憲を考えている責任感の強い人たちと、3分の2を構成していきたい」と述べた。自民、公明両党のほか、おおさか維新の会など憲法改正に積極的な政党を合わせて、憲法改正の発議に必要な3分の2の議席確保をめざす考えを示したものだ。

 首相の発言は9日に収録された。自公両党は衆院ではすでに3分の2以上の勢力を確保している。参院選で自公両党の改選議席は59で、3分の2に届くには86議席の獲得が必要だ。ただ、両党に憲法改正に前向きなおおさか維新の会と、日本のこころを大切にする党を加えると、4党で78議席をとれば3分の2に達する。

 首相は番組で「与党だけでは3分の2は大変難しい。おおさか維新など改憲に前向きな党もある」と述べ、改憲勢力の拡大に期待感を示した。ただ、どの条項の改正をめざすかは「これから議論が深まっていくだろう」と述べるにとどめた。衆参同日選を行う可能性については、「まったく考えていない」と、これまでの発言を繰り返した。

 一方、公明党の山口那津男代表は同番組で、憲法改正をにらんだ賛成勢力の結集について「国会の数合わせだけでは済まない問題だ」と指摘。「目指す方向、内容についてもコンセンサスをつくる努力が大切。おおさか維新のみならず、ほかの野党も含めて幅広い合意形成の努力が必要だ」と語り、首相がおおさか維新に軸足を置きすぎないよう牽制(けんせい)した。

 民主党の岡田克也代表は「首相は3分の2を確保すれば必ず憲法改正をすると確信している。3分の2は阻止する。野党が大きな固まりになっていくことは重要で、理念、政策一致を前提に色々な可能性を探りたい」と述べ、参院選に向けた野党共闘を探る考えを強調した。共産党の志位和夫委員長は、首相が現憲法に規定がない緊急事態条項の新設を主張していることに触れ「極めて重大で危険。戒厳令、独裁政治への道だ。こういう明文改憲は絶対に許さない」と語った。

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