走行性能を高めたり、内装や外装を派手にしつらえたりした改造車の祭典「東京オートサロン」が15日、千葉・幕張メッセで始まる。若者のクルマ離れが進む国内市場に向けて国内外の自動車メーカーが競ってアピールする、いわば「もう一つのモーターショー」だ。少子高齢化やさらなる消費増税で市場の冷え込みも予想される中、メーカー自ら手がける個性的なカスタマイズの「競演」が注目されそうだ。

■存在感増す東京オートサロン

 東京オートサロンは、改造車の雑誌やチューニングショップ、部品メーカーによる展示会として1983年に始まった。好きなクルマの購入や改造に、費用を惜しまず、いそしむ熱心なファンが集うことから、近年はプロモーションの場として主要メーカーが積極的に出展。隔年開催の東京モーターショーが北米メーカーの不参加などで縮小傾向にある一方で、こちらは年々、規模が拡大している。昨年は3日間で約31万人が来場。改造車に特化した展示としては世界最大級のショーだ。

■レース仕様にちょいワル仕様…アプローチ多彩

 販売好調で勢いに乗るマツダは、日本カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたロードスターの草レース仕様「NR―A Racing Spec.」や、クールな印象のセダン「アテンザ」を黒基調の内外装でちょいワル風味に仕上げた「Racing Concept 2016」などを出展。昨年の東京モーターショーで会場人気が一番だったRX―VISIONも再登場する。

 コンセプトが明確なのはトヨタ自動車だ。若者に照準を合わせたラインナップが際立つ。東京モーターショーで話題となった、軽量FRスポーツカーのハチロクよりさらに軽くて小さいコンセプトカーのS―FR。これに大胆なリアウィングを組み込み、レーシングカー仕立てにした「Racing Concept」を出展する。市販前から派生モデルを展開することで、走り屋たちへの浸透を狙う。

 また、いかついフロントマスクが板に付いた売れ筋のミニバンからは、若年層に人気のノア/ヴォクシーの足回りを引き締め、派手なエアロパーツをまとった「G’s Concept」を投入する。

 古くからレース活動に力を入れるホンダは、走りにこだわったモデルを多く用意。750台限定で売り出して1万件以上の申し込みが殺到した、3年ぶりに復活のシビック・タイプRに、チューン子会社「無限」が「これでもか」とチューンを加えたコンセプトモデルを披露する。また、端正ながら、とんがったデザインのミニバン・ステップワゴンにスポーティーな装飾を施した「Modulo Concept」も展示する。

 ひときわバラエティー豊かなのが日産自動車だ。デビューから9年を経て、いまだに走り屋たちの間で憧れであり続けるGT―Rに、レーシングカー譲りのチューニングを施した「NISMO N Attack Package」のほか、地味な印象のマーチとフランスのファッションブランドがコラボした「+ Lolita Lempicka Concept」、団塊の世代御用達セダンのシルフィーを真っ赤に塗って色気づかせた「S Touring」など、硬軟取り混ぜてそろえる。

 スズキは、15年ぶりに復活したアルトのスポーツグレード「ワークス」にレース参戦をイメージした意匠を施した「ワークスGP」などを参考出品。

 アウトランダーPHEVなど、プラグインハイブリッド車の充実で低迷打開を期す三菱自動車は、得意とするRVテイストを加味した「OUTDOOR GEAR Concept」を用意する。

■初出展で起死回生図る独VW

 海外勢では、メルセデス・ベンツやBMWなど高級車メーカーがそろって参加。独フォルクスワーゲン(VW)グループからは、前回に続いての「アウディ」ブランドに加え、本体のVWブランドが初出展する。昨年に国内投入したゴルフGTIのマニュアルトランスミッション版など、市販車5車種を展示。排ガス規制逃れ問題によるイメージダウンの払拭(ふっしょく)を図る。

 東京オートサロンは17日まで。15日は事業者・報道陣向けと一般特別公開。16~17日の入場料は大人2200円、中高生1700円(いずれも当日券)。期間中はドリフト走行大会など関連イベントもある。(北林慎也)