「先発が快投をみせたにもかかわらず、定石通りの投手交代で試合は逆転劇に陥った。大きな経営課題だけは自分の代でめどをつけなければならない」。伊藤忠商事の岡藤正広社長(66)は12日、「侍ジャパン」が韓国に逆転負けした昨年11月の野球の国際大会を引き合いにし、社内イントラネットで異例の「続投宣言」をした。2010年4月に社長となり、慣例の任期6年が迫っていた。

 伊藤忠は昨年に約6千億円を投じ、タイの財閥チャロン・ポカパン(CP)グループ、中国の国有企業グループ「中国中信集団(CITIC)」と提携。今年9月には、系列のファミリーマートと、ユニーグループ・ホールディングスの経営統合を控える。伊藤忠の指名委員会が12日あり、これらの課題を社長として指揮すべきだとの声が出たという。

 16年3月期の純利益では、三菱商事を抜いて初めて商社業界トップに立つ見通しで、岡藤氏は「首位を確固たるものにしたい」と社内に訴えた。