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 国連人道問題調整事務所(OCHA)のオブライアン所長は11日、米ニューヨークの国連本部で記者団に対し、シリア政府軍に包囲された首都ダマスカス郊外の町マダヤで、市民約400人が栄養失調などで命の危機にあり、「ただちに退避させる必要がある」と訴えた。

 首都から約30キロ北西のマダヤは昨年7月に政府側に包囲され、同10月以降、住民約4万人への食糧などの支援が滞っていた。国際医療NGO「国境なき医師団」によると、これまでに23人が餓死し、うち6人は1歳未満という。

 国際的な非難が強まる中、支援物資を積んだトラック49台が11日、シリア政府の同意を受けて現地に入り、米や豆、毛布などを配った。情勢報告を受けたオブライアン氏は国連安全保障理事会の会合に出席し、状況を理事国に伝えた。

 一方、シリアのジャファリ国連大使は「マダヤには支援物資が届けられてきたが反政府武装勢力に奪われた」などと記者団に訴え、シリア政府の責任を否定した。(ニューヨーク=金成隆一