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 建設資材に含まれるアスベスト(石綿)を吸って中皮腫や肺がんになったとして、近畿・四国の元建設作業員と遺族33人が国と建材メーカー41社に損害賠償を求めた訴訟の判決が22日、大阪地裁である。同種訴訟で国の賠償責任を認めた司法判断もあるが、メーカーの責任は否定され、個人事業主は救済対象になっていない。遺族らは「すべての被害者に光を」と願う。

 阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)外周の床れんがに、亡き男性の名が刻まれている。

 《SHIGAYA NOBUYOSHI》

 大阪府吹田市で30年以上電気工事業を営み、2006年10月に石綿が原因の中皮腫で亡くなった志萱(しがや)信義(のぶよし)さん(当時59)。北海道に生まれ、1960年代初めに大阪市の電気設備工事会社へ。74年に独立し、現場一筋で働いた。

 07年から3年かかった球場のリニューアル工事に携わるはずだった。「今までで一番でかい仕事」と意気込み、準備のため病床からも携帯電話で現場と連絡を取り合った。だが、工事が始まる前に力尽きた。

 信義さんの長男・弘道さん(39)ら家族は無念を思い、リニューアル記念で床れんがに希望者の名前やメッセージを刻む企画に応募。父の名はいま、甲子園の空を静かに見上げる。

 無念を晴らすもう一つの手立て。それが、11年7月に起こされた今回の集団訴訟に加わることだった。

 父が検査入院したのは04年。…

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