「全身がトロ」といわれる幻の魚「スマ」の養殖魚が、いよいよ食卓に上る。和歌山県などの研究チームが人工産卵・孵化(ふか)から育て、同県串本町沖の海上いけすで育てた体長50センチほどのスマが15日朝、水揚げされた。県内の市場や東京、大阪の百貨店向けに「全国初出荷」し、16日から売り出す。

 スマは日本近海でほとんど水揚げがないが、マグロと同じサバ科で知る人ぞ知る高級魚。価格が低迷するマダイの養殖設備を転用して2012年度から養殖に取り組んできた。低温に弱く越冬に苦しんだが、14年夏生まれの約50匹が出荷できるサイズに育った。

 水揚げに立ち会った同県水産試験場の白石智孝研究員(36)は「丸々と育ってくれてうれしい。和歌山の養殖業者がどんどんスマに取り組んでくれるように低コスト化、量産化の改善をさらに進め、県の特産として全国にPRしていきたい」と話した。

 16日から和歌山市の和歌山マリーナシティ内の黒潮市場、東京の日本橋三越本店「吉川水産」、大阪の阪急うめだ本店「まぐろ寺本」で販売される予定。

 同じくスマの養殖に取り組む愛媛県は15、16の両日、大阪の阪神梅田本店「魚くみ」で「全国初の試食販売」として1日5匹出す。15年5月に人工的に産卵させ、養殖したもので、秋以降に本格販売しブランド化をめざす。(東孝司、滝沢文那)

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