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 公証役場事務長・仮谷清志さん(当時68)の拉致などオウム真理教が1995年に起こした3事件に関与したとして、逮捕監禁などの罪に問われた教団元幹部の平田信被告(50)を懲役9年とした二審・東京高裁判決が確定する。最高裁第三小法廷(岡部喜代子裁判長)が13日付の決定で、被告の上告を棄却した。

 平田被告は指名手配され、17年近い逃亡の末、2011年の大みそかに都内の警察署に出頭した。一審・東京地裁は、教団による事件で初めて裁判員裁判で審理。14年3月の判決で、拉致事件のほかに宗教学者の自宅マンション爆破事件などにも関与したと認め、懲役9年を言い渡した。

 控訴審で弁護側は、拉致事件での関与について「車の運転手に過ぎず、拉致、監禁する計画を知らされていなかった」と主張。共犯者を手助けした罪にとどまり、他の共犯者と比べても刑が重すぎると主張した。

 昨年3月の二審判決は、一審で証言した井上嘉浩死刑囚(46)らの供述の信用性を認め、平田被告が教団幹部から事前に拉致の説明を受けていたと認定。「裁判員制度で国民の視点を採り入れて事件の重さを見直し、共犯者より重い刑が相当と判断したのは、不当ではない」と量刑の理由を説明した。

 上告棄却を受け、仮谷さんの長男の実さん(55)は「法廷で(被告が)『償っていきます』と言っていたことを、しっかり実行してくれることを期待しています」とコメントを出した。

 教団による一連の事件では、元代表の松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚(60)ら13人の死刑が確定。平田被告の刑が確定すると、12年に逮捕された菊地直子被告(44)=二審で無罪、検察が上告中=、高橋克也被告(57)=一審で無期懲役、控訴中=の2人を残すのみになる。

 逃亡中の平田被告を長年かくまったとして犯人蔵匿罪に問われた元信徒の女性は、懲役1年2カ月の実刑判決が確定した。(市川美亜子)