北九州市は、65歳以上の高齢者が市立美術館の企画展を無料で観覧できる制度を廃止することを決めた。4月から8割負担を求める。財政難によるものだが、議会や市民への説明もないまま15日配布の市政だよりの片隅に掲載しただけ。さっそく、市には問い合わせが寄せられた。

 市によると、市内在住の65歳以上の市民を対象に年長者施設利用証を発行、利用証を提示すれば市の関連施設を無料や割引で利用できる。市立美術館と市立美術館分館で開かれる企画展は無料で観覧できた。

 市は、約15億円かけての市立美術館改修に高齢者も応分の負担が必要という。2014年度の企画展は約10万8千人が観覧したが、うち約1万9千人は無料観覧。8割負担を求めることで、年間1600万円の収入増が見込まれるという。市内にある松本清張記念館などでも8割負担を求めており、市は「ほかとの公平性も保てる」と話す。

 だが、この決定について市民や議会への説明の場はなく、市政だよりのお知らせ欄に7行記したのが最初となった。料金改定は、美術館の管理要項を変更するだけでよいため、市議会に諮る必要はないというが、朝日新聞の取材に市議会の主要会派幹部は「住民に説明しないといけないのに、議会軽視も甚だしい」と憤る。市にも「無料でなくなるのか」という市民からの問い合わせがさっそく数件寄せられたという。北橋健治市長は「今後、議会に説明していきたい」と話した。(倉富竜太)

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