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 スキー場に向かっていたバスが横転し、14人の命が奪われた。多くは友人らとツアーに参加した大学生たち。「無事でいてくれ」。友人のツイッターのつぶやきも、届かなかった。「すごいスピードだった」。救助された乗客は、事故の恐怖を振り返った。

 首都大学東京の都市教養学部2年、田原寛(かん)さん(19)は、同級生4人とともにツアーに参加した。同行した友人(20)によると、5人はバスの一番後ろの5人がけの席に座り、田原さんは左から2番目にいた。「揺れが大きいな」。仲間同士でそんな会話を交わしたという。

 眠りについていた未明、突然の衝撃が襲った。4人は救助されたが、田原さんだけ、どこにいったかわからなくなったという。

 ツアーに参加していなかった同級生らにも安否不明の情報が伝わった。同級生の1人(19)はツイッターに「寛、無事でいてくれ」と書き込んだ。

 夕方、長野県警が田原さんの死亡を発表。この同級生は「真面目で明るくて、面白くて。よくつまんないボケかましてた。友達みんなに愛されていた。本当に悔しい」と語った。

 一緒にツアーに参加した友人の1人(20)は搬送先の病院で、面会に訪れた自身の兄(25)から悲報を伝えられた。「(田原さんが亡くなったと)正式に発表されたよ」という言葉に、ベッドの上でうつむき、信じられない様子で言葉を失っていたという。

 田原さんは多くの友人に好かれていた。お化け屋敷を作るサークルの仲間の男性(20)は「本当に真面目な好青年。サークルでは重要な役職に就き、誰より勉強と両立していた。いなくなったことがいまだに信じきれない。これからも一緒に楽しい大学生活を送りたかった」と無念さをにじませた。

 明星高校(大阪市)在学中、3年間担任だった金谷淳司教諭(43)によると、田原さんはサッカー部に所属。社会学系に興味があり、高3の早い段階から首都大の受験を決めていたという。「人当たりがよくて本当にいい子。絶対悪くいうやつはいない」。15日午後、現地に出向いた田原さんの母親からの電話で、亡くなったことを知った。「本人でないことを祈っていたのに。残念です」

 首都大学東京の小川仁学長室長は15日夕、記者団に対し、「これからまだ未来のある若者。こういう事故が起きて本当に残念。ご冥福をお祈りします」と、声をしぼり出すように話した。同行していた4人については「仲間が亡くなったショックがこれから出るのではと心配している。心のケアは、できることをしていきたい」と話した。