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 ロシア陸上界の組織ぐるみのドーピングは、国際陸上競技連盟のトップの腐敗にまでメスが入った。世界反ドーピング機関(WADA)の独立委員会が14日に発表した調査報告書は不正の根の深さを浮き彫りにする。不正一掃の道は険しく、日本の協賛企業にとっても対岸の火事ではない。

 「汚職は国際陸連の組織に埋め込まれている」

 WADA独立委員会のパウンド委員長は14日、独・ミュンヘンでの記者会見で、82歳のラミン・ディアク国際陸連前会長を糾弾した。セネガル出身で昨夏まで16年間、トップに君臨した。息子2人や私的な法律顧問ら非公式のグループで周囲を固め、主導的な立場で不正に関与したという。

 報告書は、前会長が不正告発の動きを鈍らせ、チェック機能を働かせないように仕向けたと批判した。

 ロシア陸連のドーピング問題では、前会長は部外者の弁護士シセ氏を検査などの責任者に指名した。だが報告書はシセ氏について、血液や尿のデータを継続的に採取して管理する「生体パスポート」の知識が乏しいとし、不適任者だったと切り捨てた。

 シセ氏は、ドーピング違反の疑いのあった選手の部外秘のはずのリストをロシア側に見せ、国際陸連の医師らと共謀してロシア選手の検査の手続きを遅らせるなどしていたという。ロシア陸連のワレンチン・バラフニチェフ前会長が国際陸連の会計担当を兼ねていたことから、シセ氏からの情報入手が容易で、ロシアのドーピングをしていた選手が発覚せずに出場を続ける環境ができたと、報告書は指摘した。

 ディアク前会長は、息子のパパマッサタ氏とカリル氏をコンサルタントとして重用した。2人は国際陸連の内部情報を入手し、ロンドン五輪の女子1500メートルで金メダルをとり、後に没収されたアスリ・ジャキール選手(トルコ)を脅して金を受けとっていたことも発覚した。恐喝はロシア選手らに対しても行われていた。

 こうした不正について報告書は…

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