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 ハンドボール男子で、今夏開催のリオデジャネイロ五輪にアジアから早々と出場を決めた国がある。ロンドン五輪予選では4強にも入れなかったカタールだ。中東の小国はなぜ、突然強くなったのだろうか。

 女性の観戦が原則禁止の会場に、打楽器の独特のリズムと、約8000人いる男たちの野太い声だけが響く。昨年11月に首都ドーハで開かれたアジア予選は、アジアでは珍しいハンドボール専用巨大スタジアムで開かれた。地元の大声援を受けたカタールは決勝で、イランに28―19と圧勝。この勝利で、五輪への初出場が確定した。

 1988年ソウル大会以来の出場を目指した日本は5位。4大会連続で五輪に出場してきた韓国は4位に終わり、いずれも夢は砕け散った。

 カタールの代表選手やスタッフの顔ぶれは、さながら「世界選抜」ともいえる豪華さだ。予選の開幕当初、登録メンバーは16人中14人が海外出身者で、カタールの国籍を得たばかりの国籍変更組。カタールで生まれ育った「カタール人」は2人だけだった。決勝は、15人を国籍変更組で固めた。

 選手の出身国はフランスやスペイン、クロアチア、エジプト、キューバなど11カ国にまたがる。GKのダニエル・サリッチはセルビア出身。スペインリーグの強豪FCバルセロナに籍を置き、昨年の「世界ベスト7」にも選ばれた精鋭だ。予選でも、相手の至近距離のシュートを幾度も止める大活躍を見せた。

 代表監督は、2013年の世界選手権でスペインを優勝に導いたバレロ・リベラが務める。オイルマネーにものを言わせ、露骨な勧誘で海外から選手を引き抜く「カタール方式」が実った格好だ。

 こうしたやり方に、真っ先にかみついたのが五輪出場を逃した韓国メディアだった。「これが本当にカタール代表といえるのか。韓国もオイルマネーの餌食になった」。昨年11月27日付の朝鮮日報は、カタール代表にこう反発した。

 国際ハンドボール連盟は選手の国籍変更について、「ある国の代表として出場した国際大会から3年間は別の国の代表としては出場できない」と定めている。さらに「国籍変更は1回のみ」と規定している。

 選手を輸入するカタールのやり方は、この規定に違反しているわけではない。このためアジアのライバル国は、なおさら無力感に襲われる。

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