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 ブラジルのマラソン選手と言えば、バンデルレイ・デリマさん(46)を思い出す人は多いだろう。2004年アテネ五輪で先頭を走っている時、沿道から飛び出した男に襲われた選手だ。失速して銅メダルに終わったが、ゴールした際に見せたすがすがしい笑顔が世界を感動させた。「困難な時でも笑顔でいるのはブラジル人の特長だ」とデリマさんは話す。

 トップを独走していた36キロ付近で、男に抱きつかれるようにして歩道へ押し出された。それでもくじけずにレースに復帰、ゴール後も不満は一切口にせず、「メダルが取れて幸せだ」と喜んだ。潔いスポーツマン精神が評価され、国際オリンピック委員会から特製メダルが贈られた。

 デリマさんは、「もしあれが命を奪われるような事件だったら、と考えるとメダルは素晴らしい結果だ。私はいつも物事の良い面を見る。だから、感謝するだけだった」と当時を振り返る。その前向きな考えの背景には、ブラジルでの貧しい暮らしがあるという。

 同国南部パラナ州出身のデリマ…

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