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 一人暮らしの高齢者らの支援事業を行っている公益財団法人「日本ライフ協会」(東京都)が、高齢者から将来の葬儀代などとして集めた預託金を流用し、約2億7千万円の不足額を生じさせた。公益認定法に違反する手続きで預託金を集めており、内閣府は15日、預託金を回復する措置をとるよう勧告。同協会は19日、理事8人全員が引責辞任したと明らかにした。

 同協会は2002年に設立。預託金が流用されたのは「みまもり家族事業」で、身寄りのない高齢者の入院手続きの支援や、葬儀などの手続きを引き受けている。契約のプラン例では、総額約165万円のうち葬儀代など約56万円を預託金にあてるとしていた。

 預託金は弁護士など第三者が預かるとして10年に内閣府から公益認定を受けた。だが、同協会は無断で預託金を直接管理する契約を開始。一部を別の用途に流用し、総額約9億円のうち2億7412万2941円の不足が生じた。同事業の契約者は約2300人で、流用対象者は約1500人。事業内容の無断変更について、同協会は内閣府に「コストを抑えられると直接管理を希望する利用者もいた。預託金を使っても将来回復できると考えた」と説明しているという。

 内閣府は無断変更を公益認定法違反として勧告。6年かけて回復を図るとする協会に対し、早急な回復計画づくりを求めた。同協会は「大変なご迷惑をおかけしおわび申し上げます。今後、不足額を回復させ、事業を継続していけるよう取り組みたい」としている。(中村靖三郎)