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 経団連は19日、経営側の春闘指針を発表し、事実上、今年の春闘が始まった。経団連は安倍政権の要請に応え、今年も加盟企業に賃上げを呼びかけるが、連合が求めるベースアップ(ベア)への姿勢は、昨年よりも慎重だ。賃上げの水準や中身に加え、中小企業や非正規の働き手への広がりも焦点となる。

 春闘での賃上げをめぐっては、安倍晋三首相が昨秋の官民対話で、「しっかりと賃上げが行われなければ経済の好循環は実現できない」と指摘。日本銀行の黒田東彦総裁も賃上げを「労使の役割」と求めていた。

 経団連がまとめた指針は、政権の要請を踏まえ「(政府が目指す)名目GDP(国内総生産)3%成長への道筋も視野」に置くとし、収益が拡大した企業は前年より人件費の総額を増やし、年収ベースで賃金を上げるよう「前向きで踏み込んだ検討が望まれる」とした。

 ベアについても3年連続で容認した。ただ、ベアを賃上げの「選択肢の一つ」と明確に位置づけた昨年とは違い、「(賃上げの方法は)一律的なベアに限られず、様々な選択肢が考えられる」とトーンダウン。賃上げの手法として、子育て世帯への重点配分や、賞与・一時金の増額なども例示した。非正社員の時給引き上げや正社員化も検討を促した。