子どもたちに夢を持つことの大切さを伝えようと、日本サッカー協会が2007年から行っている「こころのプロジェクト 夢の教室」。昨秋、日本プロ野球選手会と連携協定を結び、12球団の12選手が12月から今年1月にかけて、「夢先生」として小中学校の教壇に立った。阪神の若きエース、藤浪晋太郎(21)もその一人だ。

 昨年12月17日、堺市立浜寺石津小学校の体育館に集まった5年1組の児童たちは、ユニホーム姿で現れた藤浪にびっくり。軽めの投球を間近で見て、その迫力に、さらに驚いた。

 体育館では「だるまさんが転んだ」をもとにしたゲームをした。横一列で手をつなぎ、全員でゴールを目指す。誰かの手が離れたらやり直しだ。「せーの」「よしよし」「ストップ」。徐々にかけ声が上がる。ゴールに成功すると、藤浪が言った。「みんなが協力してひとつになれたからゴールできた。これからも協力を大切にな」

 教室では藤浪が黒板を使いながら、プロ野球選手になる夢を追いかけてきた体験を話した。橋本愛樺(まなか)さんは「プロ野球選手を直接見たのは初めて。見た目も話もすごいと思った」。

 担任の前田隆行教諭(29)の声も弾んだ。「スター選手でも挫折や苦労を経験し、努力を重ねてきたからこそ夢がかなったということを考えられたと思う。子どもたちには5年生の1年間で、きっと一番の思い出になります」