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 慰安婦問題を研究する吉見義明・中央大教授が、「自著の内容を『捏造(ねつぞう)』と言われ、名誉を傷つけられた」として、日本維新の会所属だった桜内文城(ふみき)・前衆院議員に1200万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁(原克也裁判長)は20日、「論評の範囲内だ」として教授側の請求を棄却した。

 判決によると、桜内氏は2013年5月、当時日本維新の会共同代表だった橋下徹・前大阪市長が、慰安婦問題をめぐる発言に関して東京都内で開いた会見に同席。司会者が参考文献として慰安婦に関する吉見教授の著書を紹介した際、「これはすでに捏造であるということが明らかとされております」と発言した。

 判決は桜内氏のこの発言について、「司会者の言葉に短くコメントしただけで、教授の社会的評価は低下させるが、論評に当たるため、賠償責任は負わない」と結論づけた。訴訟では「慰安婦が性奴隷だったか」も争われたが、判決は「評価の問題」として判断しなかった。