[PR]

 関西電力高浜原発(福井県高浜町)の過酷事故時に想定されている広域住民避難計画。避難者を受け入れる自治体に実施したアンケートでは、態勢の未整備などの課題が浮かび上がった。関電は今月末にも3号機を再稼働させる予定だが、多くの自治体は不安や課題を抱えながら向き合うことになる。

■23市町が「情報不足」

 アンケート対象56市町のうち、48市町が避難者の受け入れ計画の策定を済ませていなかった。高浜町から受け入れる兵庫県猪名川町は、避難が土日や夜間になった場合の職員確保が課題だと想定するが、担当者は「県から、国が手引を作成中と聞いている。それができるまで単独では動きづらい」と話す。

 計画づくりに着手している自治体も悩む。兵庫県高砂市は「県の応援態勢がどうなるかが大事。今は分からないので具体的な計画づくりに踏み込んでいけない」(市危機管理室)。

 避難元の市町と具体的な協議をしたかどうかの質問には、26市町が「すでにした」と回答。28市町が「していない」と答えた。京都府伊根町の避難住民を受け入れる想定となっている兵庫県播磨町は「(避難元まで)相当な距離があるため協議の場が設けにくく、顔の見える関係が築きにくい」との理由を挙げた。

 同じ自治体の避難者を複数の自治体で受け入れることも壁となっている。兵庫県淡路市は「京都府舞鶴市からの避難者を、2県7市町で受け入れるため統一した協議が必要だ」とする。

 また、23市町が「情報不足」の悩みを訴えた。兵庫県小野市は福井県若狭町の避難者を受け入れるが、「避難予定者のうち子どもや高齢者、女性の人数などの情報がない」という。福井県おおい町民を受け入れる兵庫県川西市は「放射能の汚染検査や除染の詳細について情報がほしい」と回答した。