【動画】福島県飯舘村出身の大学院生が気づいた村の誇りは、牛だった=井手さゆり撮影
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 「までい牛、おいしいよ! 食べてって!」。10日に開かれた東京大学農学部の物産展で、元気な呼び込みの声が響いた。福島第一原発事故からまもなく5年。今も全村避難が続く福島県飯舘村の復興につなげたいと、若者たちが村の自慢だった牛のPRに動きだした。

 「までい牛」は、村の特産品だった飯舘牛の血を引く高級和牛だ。「までい」とは、福島県の方言で「手を掛けて、丁寧に」という意味だ。販売を企画したのは、村出身で同大大学院生の佐藤聡太さん(23)。子どもの頃から村の暮らしが好きで、高校2年の時に「村長になる」と決意。原発事故を経ても、その気持ちは変わらない。

 復興って何だろう。模索するなか、飯舘牛142頭を連れて千葉に避難した畜産農家の小林将男さん(59)と知り合う。昨年6月、佐藤さんは「までい牛」の牛舎を訪ね、久しぶりに肉を食べた。「涙が出るほどおいしかった」。こんなに誇れるものが村にあったんだ――。今年5月の大学祭でこれを売りたい。までい牛と村の現状を知ってほしい。「村のために何かしたい」と思う同郷の同世代と、思いを語る佐藤さんに引き込まれた大学院の仲間16人でプロジェクトを立ち上げた。

 大学祭前の腕試しとして出店し…

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