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 米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)は20日、オバマ政権のアジア太平洋重視のリバランス(再均衡)戦略を検証した報告書をまとめた。中国が岩礁の埋め立て工事を進める南シナ海について「2030年までに事実上、中国の湖となる」と警鐘を鳴らし、政権の中国・北朝鮮政策は不十分だと指摘した。

 報告書では、30年までに中国が複数の空母打撃群を保有する可能性があるとし、「米国にとってのメキシコ湾やカリブ海のように、南シナ海が事実上、中国の湖となる」と強調。将来的に米海軍を脅かす可能性を指摘し、「中国の台頭や北朝鮮の好戦的態度を含む多様な挑戦に対処する必要があるだろう」と述べ、米国はアジア太平洋地域にさらなる軍事力を投入する必要があると促した。

 また、中国を念頭に、巡航ミサイルや弾道ミサイルによる攻撃に対する沖縄県の米空軍嘉手納基地やグアムのアンダーセン空軍基地などの脆弱(ぜいじゃく)性に言及。フィリピンやオーストラリアなどの基地の活用や、空母の追加配備を提唱した。

 一方、「地域の安全保障上の問題が増すなか、沖縄における米軍の存在は、戦略的に不可欠だ」とし、米海兵隊普天間飛行場の移設先は現行の辺野古地区への移設計画が最善とした。(ワシントン=佐藤武嗣)