財務省が25日発表した2015年の貿易統計(速報)によると、輸出額から輸入額を差し引いた「貿易収支」は、2兆8322億円の赤字だった。貿易赤字は5年連続だが、原油安の影響などで赤字額は前年から約10兆円減り、11年の東日本大震災後、初めて縮小に転じた。

 輸入額全体は78兆4637億円で、過去最大だった前年の85兆9091億円から8・7%減少。ドル建ての原油価格が前年の半分近くまで下がり、15年の原油輸入額が8兆1836億円と4割減ったことなどが影響した。

 輸出額全体は75兆6316億円で3・5%増え、3年連続の増加となった。景気が堅調な米国向けの輸出が11・5%増えたことが全体を押し上げた。ただ、景気が減速している中国向けは3年ぶりに減少。中国を含むアジア向けも前年比2・1%増にとどまった。

 震災後、日本中の原発が止まったことで燃料の輸入が増え、貿易赤字が続いている。14年の赤字額は12兆8161億円と過去最大だったが、15年は9兆9839億円も赤字が縮小し、赤字幅は震災後では11年(2兆5647億円)に次いで2番目に小さかった。

 一方、15年12月の貿易収支は1402億円の黒字だった。原油安や暖冬で燃料の輸入が減り、輸入額が12カ月連続で減ったが、輸出額も3カ月連続減と振るわなかった。資源安を受けて米国向けの鉱山用機械などの輸出が大幅に減り、米国向け輸出額が1年4カ月ぶりに減少に転じた。中国を含むアジア向け輸出も4カ月連続で減った。(石橋亮介)