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 失業問題が深刻化するチュニジアの各地で政府への抗議デモが広がり、商店の略奪が起きるなど一部が暴徒化して、これまでに警察官1人が死亡、40人以上が負傷した。チュニジア政府は22日、全土に夜間外出禁止令(午後8時~午前5時)を出した。

 抗議デモは、16日に西部カスリーヌで、政府の雇用リストから外された若者が抗議のため電柱に上り、感電死したのがきっかけ。19日にカスリーヌで失業対策を求めるデモが始まると、各地に広がった。中部シディブジドでは投石するデモ隊が警察と衝突。首都チュニス郊外でも暴動になった。商店の略奪のほか、銀行や警察署への襲撃も起きた。

 チュニジアでは2010年12月に失業青年による焼身自殺をきっかけに反政府デモが起き、翌月のベンアリ独裁政権崩壊につながった。14年に議会選、大統領選を実施し、中東の民主化運動「アラブの春」を経た民主化の模範と言われた。その半面、経済は回復せず、「イスラム国」(IS)などの過激派組織に加わる若者は3千人以上に及ぶ。外国人を狙ったテロが相次ぎ、主要産業の観光は大打撃を受けている。昨年の失業率は革命前の12%から15%に増えた。

 カイドセブシ大統領は22日、テレビ演説で「(隣国の)リビアで台頭するISが不安定な状況につけ入ってくる」と警告。失業対策を実施するとしたが、具体的な方策には触れなかった。旧宗主国フランスは22日、今後5年間で10億ユーロ(1270億円)の支援を表明した。(カイロ=翁長忠雄)