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 24日に投開票された沖縄県宜野湾市長選は、米軍普天間飛行場の移設問題で安倍政権と対立する翁長雄志(おながたけし)知事が全面支援した新顔の志村恵一郎氏(63)が、政権が推す現職の佐喜真淳(さきまあつし)氏(51)に大敗した。一夜明け、「選挙に裏付けられた民意」を盾に政権と対峙(たいじ)してきた翁長氏周辺のショックは大きい。

 同市長選では佐喜真氏が2万7668票を得て再選され、志村氏は2万1811票にとどまった。25日朝、県庁に登庁した翁長氏は、記者団から6千票という大差について問われたが、「ここで歩きながら説明できない」と述べ、足を止めなかった。

 6月に県議選、夏に参院選を控える中での大敗に、ある与党県議は「直近の『民意』を失ったのは事実。これまで通りに辺野古反対を訴えるのは難しくなった」と語った。普天間飛行場の移設先とされる名護市の稲嶺進市長は24日夜、「今回の結果で宜野湾市民が辺野古移設を認めていることにはならない」としつつ、「政府が選挙結果を口実に(埋め立て工事を)強硬に進めることは予想される」と語った。

 同市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ前では、25日朝も移設に反対する人々が抗議行動を展開した。

 市民団体「沖縄平和運動センター」の山城博治さんは「結果は残念だが、辺野古移設は争点になっていなかった」と指摘した。佐喜真氏が、当選後の24日夜に「普天間を固定化させないという民意が示された」と語ったことにも触れ、「固定化阻止は、とうの昔に県民が総意で示している。政治家として、どうやってそれを実現するのかを示してほしい」と注文をつけた。

 一方、佐喜真氏を支援した自民党沖縄県連の具志孝助幹事長は「県議選に向けてやっと新しい流れができた」と強調。中谷元(げん)防衛相は25日、「(佐喜真氏の)普天間飛行場の固定化を避けるために努力してきた実績が評価されたということではないか。引き続き(辺野古)移設推進のために市長の理解と協力を得ながら努力していきたい」と述べ、辺野古移設作業を進める考えを改めて示した。(吉田拓史、上遠野郷、二階堂勇)