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 電機メーカーの労働組合でつくる電機連合(約57万人)は25日、2016年春闘で、賃金体系を底上げするベースアップ(ベア)について、月額3千円以上を統一要求する方針をまとめた。28、29日に開く中央委員会で正式決定する。

 ベア要求は3年連続となるが、要求額は15年春闘で求めた「6千円以上」の半額にとどまり、過去3年で最も低い。一時金は前年と同様、年間5カ月分を目安に求める。

 デフレ脱却にむけてベアは必要だが、消費者物価の上昇は鈍いままで、高水準のベア要求は難しいと判断した。上部団体の金属労協と足並みをそろえ、前年を下回る要求額とする。

 電機大手の春闘は、日立製作所やパナソニックなどの13組合が、経営側から横並びの回答を得る「統一闘争」を実施する。日立製作所やパナソニックなどは3千円を要求する方針だが、13組合の中には東芝やシャープなど経営が悪化している企業もあり、統一要求から離脱する労組が出る可能性が高い。

 経営側にはベアを容認する意見もあるが、中国など世界経済の先行き不透明感が増している。電機連合の野中孝泰書記長は「そう簡単にベアとはならないだろう」と述べ、今春闘が厳しい交渉になるとの見方を示した。

■経団連はベア慎重 労組の主張と隔たり

 大企業の労務担当者らが集まる経団連の「労使フォーラム」が25日、2日間の日程で始まり、今春闘をめぐる議論が本格化した。経団連は賃上げを呼びかけつつもベースアップには慎重で、労働組合側の連合とは主張がかみ合わない場面もあった。

 経団連の榊原定征会長は冒頭のあいさつで、業績を上げた企業に対し「年収ベースの賃金引き上げとなるよう、前向きで踏み込んだ検討を」と求めた。ただ、賃上げの手法として「ボーナス」や「諸手当」も挙げ、ベアにこだわらない姿勢をにじませた。

 講演した連合の神津里季生(こうづりきお)会長は、経団連の「年収ベース」という考え方に「違和感を覚える」と批判。連合はベアによる月例賃金(月給)の引き上げを訴えており、「個人消費に与える影響は、いつ下がるかわからないボーナスよりも、月例賃金の方がある。すべての経営者にしっかり考えてもらいたい」と強調した。