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 見渡す限り一面の銀世界をもたらしたこの冬一番の寒波に、25日の九州・山口は震えた。水道管の破裂や農作物の被害が確認されるなど、暮らしへの影響が広がった。

 豊栄水道工業所(福岡市中央区)の豊丹生(ぶにう)庸児さん(61)は25日朝から10軒で破裂した水道管を修理した。多い年でも年に2、3件あるかないか。「18歳から管工事をしているけど、こんなに多いのは初めて」。雪が舞う中、手を真っ赤にしながら作業する最中も、携帯電話に別の修理依頼の電話が舞い込んだ。

 同市早良区の笠俊之さん(63)方もこの日、水道管が破裂した。24日から凍結し、2日ほど風呂に入れていない。「皿洗いで手がしびれるほど水が冷たい。芯から冷えているので、風呂で温まりたい」と話した。

 北九州市八幡東区では、漏水で配水池の水が急激に減るのを防ぐため、山路、清田地区などで25日午後8時現在、約3千世帯が断水となった。市が6リットル入りの給水袋を住民に配布し、清田4丁目では一時100人を超す列ができた。家族で7袋を受け取った主婦(37)は「赤ちゃんがいるので困る。断水するなら早めに連絡してほしい」。看護師の女性(43)も「自治会役員から断水の連絡があってから5分後に水道が止まった。夕飯が作れないので、できあいのおかずを買ってきます」と話した。

 長崎市も配水槽の水量が不足しているとして、25日夜、琴海地区の約5千世帯への給水を停止した。各家庭の給水管が凍結・破損して大量の水が漏れている可能性があるという。

 福岡県太宰府市は水道管の凍結でトイレが使えないなどとして市立小中学校11校を26日も臨時休校する。

■九州各地でハウス転倒

 大雪や極端な低温による農作物や家畜の被害の情報も、各地の自治体や農協に入り始めている。

 長崎県農政課によると、記録的な積雪となった同県では、長崎市や諫早市などで雪の重みによる農業用ハウスの倒壊といった被害の報告が数件入っている。熊本県によると、南部の天草市や芦北町、津奈木町などでイチゴの育苗用やデコポンのハウスの倒壊や損壊などの被害が出ている。

 JA佐賀中央会によると、佐賀県でもハウスの倒壊やタマネギの凍害が発生している。また、極端な寒さが続いた影響で、県内のブロイラー農場5カ所で計約1500羽の鶏が圧死した。扉付近が寒いため、鶏が奥に寄った結果、奥や下の方になった鶏が死んだとみられるという。

 豆類の産地の鹿児島県では、ソラマメやスナップエンドウが出荷時期を迎えており、県農政課は「露地ものの被害が心配だ」と気をもむ。25日の段階では、まだ道路の凍結などで、県の出先機関の職員が現地調査をできない状態だったという。

 九州農政局によると、特に内部を加温しない農業用ハウスの雪による倒壊や破損が懸念され、この時期はホウレンソウやレタスなどの葉物やネギ、アスパラガスなどが栽培されているという。交通の混乱が解消し次第、自治体やJAを通じた被害の把握を急ぐとしている。