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 大分県杵築(きつき)市で昨年7月、住宅が全焼して子ども4人が死亡した火災で、重過失失火と重過失致死傷の罪に問われた父親で海上自衛官の末棟(すえむね)憲一郎被告(41)=広島県江田島市=の初公判が26日、大分地裁(今泉裕登裁判長)であった。末棟被告は、起訴内容を一部を除き大筋で認めた。

 起訴状などによると、末棟被告は昨年7月5日午後11時55分ごろ、杵築市の自宅から単身赴任先の広島に戻ろうとした際、妻が見送りにこなかったことに立腹。玄関に灯油をまいて妻の気を引こうとしたが、ライターの火が引火し、自宅を全焼させたとされる。当時5~14歳の長女ら4人が焼死し、3歳だった三女が全身やけどを負った。

 罪状認否で末棟被告は「明確に覚えていない」としたうえで、当時の状況について「『立腹』は違う。そのような高揚した状態ではなく、不安やおびえの表現が合っている」などと説明した。検察側は、末棟被告が事件後に妻と離婚したことを明らかにした。

 県警は末棟被告を現住建造物等放火の疑いで逮捕。地検は、精神状態を調べるため鑑定留置し、刑事責任は問えると判断した。一方で「故意に火をつけたことなどを立証する証拠がなかった」として、放火罪の適用は見送っていた。(鈴木春香)